事業内容
東広島市のイベント会場などでボードゲームの楽しさを伝え、広めていく。幼児、小学生向け、シニア向け、療育用といったボードゲームを揃え、未就学児からシニアまで、年齢を問わず対等に楽しめる場を提供する。
幅広い世代にボードゲーム体験を
東広島市でボードゲームのイベントを企画するグループ「ボードゲームの森 てとて」を運営するおもちゃコンサルタントの広兼和子さんは、市内で木のおもちゃと雑貨のお店「おやこにいいもの くるり」を経営するかたわら、「てとて」の仲間と、ボードゲームを子育てサークルや学童保育などで紹介する活動に取り組んできました。
「てとて」は、「手を使って遊ぶ」「手と手を繋いで丸くなって遊ぶ」という思いを込めたネーミングです。
「ボードゲームは大人も子どもも一緒に楽しめ、コミュニケーションを円滑にしてくれます。また、ボードゲームを楽しむためには、人の話をきいて、ルールを理解して守り、感情をコントロールすることが必要です。子どもたちは遊びながらこうした力を身に付け、成長することができるんです」と、ボードゲームの魅力を語る広兼さん。
大人が提案しないとなかなかボードゲームの機会をもてない今の子どもたちにこの楽しさを知ってもらうため、親子に向けた種まきをしていけたらと活動を始めました。世代を問わずにボードゲームを共に楽しむ時間を持ってもらえたらと考えています。
これまでは、広兼さんのお店のサンプルやメンバーの私物を用いて活動していましたが、今回の助成事業で、幼児からシニアまで幅広い世代が利用できるゲームを取り揃えることができました。
親子向けのイベントでは、お父さん、お母さんも子どもと一緒に夢中で遊びます
たくさん遊んでたくさん笑って
メンバーは子育て支援センターや地域の寺社など、それぞれのフィールドを舞台にしたイベントや勉強会などにゲームを運び、毎月のようにボードゲームを楽しむ会を開催しています。
2017年の秋には、親子で過ごす時間の大切さに気付いてほしいと地域の保育士が企画した絵本とボードゲームのイベント「親子であそぼうmocomoco」に参加。たくさんの親子がゲームを夢中で楽しみました。ゲームがあるとお父さんも遊びの輪に入りやすくなり、ルールがあるので気負わず遊べて、子育てが楽しく感じられるようになるとか。中でも特に盛り上がったのが、カードに描かれた謎の生物に好きな名前を付けていく記憶ゲーム「ナンジャモンジャ」で、お父さんがつけたユニークな名前にみんなが大爆笑。参加しているほかの家族とも自然なコミュニケーションが生まれ、笑いがいっぱいの和やかな時間になりました。
みんながチームになってドラゴンと戦う協力型ゲーム。プレーヤーに一体感が生まれます
シニア世代や小学校にも活動の幅を広げる
今後はシニア世代に向けて脳トレになるようなものを提案したり、子どもとお年寄りが対等に楽しめるゲームも取り入れていきたいと、企画のアイデアは尽きません。小学校からもPTAの課外活動で紹介してほしいと声がかかっています。
「ボードゲーム遊びをすることで、お子さんが“人と向き合って過ごす時間って楽しいんだ”と感じながら育ってくれたらいいなと思います」と広兼さん。これからも「ボードゲームの森 てとて」の仲間と、地域でボードゲームの裾野を広げられるよう、活動を続けていきます。
火山から飛び出すルビーを集める「ファイアドラゴン」。誰のところにルビーがくるかなと、ワクワクします
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